【6】子どもの顔、老人の顔

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LISA先生
LISA先生

今日の授業では、

年代における顔の違いについて考えてみましょう。

デモンストレーションを観て、感じたことを発表してもらいます。

子どもの顔と老人の顔の違いを確認した上で、

老けて見えるセルフメイク実習を行います。

  • 濃いブラウンのシャドーやアイライナー
  • 薄いブラウンのリキッドアイライナー
  • 細い筆(100円ショップのリップブラシなど)
  • ハイライトカラー
  • シェーディングカラー

実習中に、

中間課題に向けてセフルメイクのチェックをします。

 

Magica
Magica

準備してきた写真はclassroomからスライドに入れてね。

  • 子どもの顔写真(女性、10歳以下)
  • 老人の顔写真(女性、80歳以上)

どんな違いがあるか 、各自書き出してみて!

 

子どもの顔と老人の顔の違い

日本顔学会    「顔の百科辞典」より

顔の成長・発達 

成長、発育、発達という用語

成長,発育それに発達,ずれも育って成熟するという意味で利用さることが多い,厳密にはそれぞれ異なる味をもつ。

成長完成を意味する,長さが伸びるとの意をもつからなり,主に全身や身の各部分の量的増大,とくに長さの増加を意味する.

発育,増加ととも に質的にも複雑化することを意味し,受精卵から形態形成が終わるまでの質の変を指す.

これに対し発達,発育過程において構造上はより精密に,機能 上はより有能になることを意味するが,主に機能的成熟を示す用語である.


また, 形態と機能両面の成長過程を表す用語として一般成長発用いられる

身体の成長 

顔は,言うまでもなく身体の構成要素の一部である.
したがって,顔の成長をはまず,から成人期にいたる身体全体の正常な成長様相につて理解する必要がある.
臓器,器官,組織といった身体の構成要素,生後すべてが同じペースで成長するわけではない。
出生後における身体の成長発育様相を端的つわかりやすく表現したものにスキャモンの臓器発育曲線がある(図1)

 

図1. スキャモンの器発育曲線

 

リチャードスキャモン(Richard E. Scammon),臓器や器官の成長発にともなう形態形質の変化のパターンを,一般型,神経系型, ンパ系型,生殖器系型の四つ分類し.
般型には身長,体重,骨格,,胸腹部臓器など含まれる.
出生後,幼児期まで急激に成長,その後ゆるやかになるが思春期に再び急激な成長を示すのを特徴と, S字状の曲線を描く.
経系型には,,脊髄,覚器などの中枢末梢神経系器が含まれる.
出生後急速に成長し,4~5歳で成人の80%,6歳では 90%にまで達するなど成長の完早い.

リンパ系型に,免疫機能を司る扁桃,リンパ腺,腺などが含まれ.
これらは出生後急激に成長春期前12~13歳頃には成人レベルを超えて最大となるが思春期以降は減少して成人の大きさになる.

殖器系型には,男児の,陰茎,児の卵巣,などが含まれる.
期前半までは成長がわずかであるが思春 期になると男性ホルモンおよび女性ホルモンの分泌が活発化し急激な成長を示

成長発育の影響要因 

成長発育に影響する要因には内因性因子と外因性因とがある.内因性因子には遺伝やホルモンが含まれる.
両親から受け継いだ遺伝形質が成長発育に影響を与え,とくに身は親子間で相関が高いとされる.
ホルモンは種類が多くその影は複雑多岐にわたるが,発育に影響するホルモンの代表例として成長ホモンがあげられる.
成長ホルモンの分泌異常が顕著な場合には成長障が生じ. 著し分泌低下では下垂体性小人症が,思春期以降の分泌過多では四肢末端や顎骨が過度に成長する先端巨大症(アクロメガリー)がみられる. 因性因子に,栄養障害,疾病などのほかに環要因が含まれる.
実際には,因性因子と外因性因子とが相互にかつ複雑に影響し合い,身体の成長発育が表現されることになる。 

 

脳頭蓋と顔面頭蓋 

頭部は頭蓋と顔からなり,解剖学的に前者は脳頭,後者は顔面頭蓋とよば.
成長発育にともない身体を構成する各部位の比率は変化する(2).
身体全体のバランスをみると,児期においては胴が長い傾向を示す,下肢は長発育とともに伸長し成人では身長のおよそ半分となる.
身体に対する頭部についてみると,児ではおよそ4頭身であるが,成長とともに頭部の比率は徐々に減少し成人ではおよそ7~8頭身とな

図2. 成長発育にともなう身体各部の比較 

脳頭蓋は前頭,頭頂骨,後頭,側頭骨で構成される頭蓋冠と頭蓋底から成り立ち,頭蓋底は脳頭蓋と顔面頭蓋の境部に位置する, 冠は,出生後における脳の急速な成長に影響され早期に著しく増大する.
一方,面頭蓋は上方が頭蓋底と接,央から下方にかけては,顎骨とそれに隣接する涙,鼻骨 頬骨などの顔面からなる鼻上顎複合体や下骨から形され,咀嚼や呼吸の達と関連し,生後長期間にわたってゆるやかな成長変化を示す.
すなわち,頭蓋はスキャモンの器発育曲線における神経系型の成長,顔面頭は一般型 に類似した成長変化を示す.その結果, 子どもの合には顔が小さく頭が大き
目が大きい,オトガイの形成がわずかであるといった特徴がみられ,成人では頭占める割合が減少し,鼻が突出して上下方向に長くなり,下顎が角張るといった特徴を示すようになる(図3)

図3. どもの顔と成人顔の比較 

成人顔のプロポーション 

図6は, ルネサンス時代における芸家の間で調和がとれてるとされ正貌, 側貌での垂直的比率を示す.眉間点から鼻の下(鼻下点)までの距離と鼻下点か らオトガイ下点までの距離比率は,調和がとれている場合おおむね1:1になる とされる.,元周囲に限ってみた場合には,鼻下点から上下口唇の接触部 (口裂)までの距離,口裂からオトガイ下点までの距離比率はおよそ1:2が 望ましいとされる.成長終了後における顔の比率,民族間,個体間で異なり一 義的に決められるものではない,容外,科的矯正治療など顔立ちを変化 させる医療におてはこういった比率が治療目標設定にあたっての一つの指標なる。 

6. 調和のとれた正側貌での垂直的比率
(眉間点と鼻下点との距離):(鼻下点とオトガイ下点との距離) = 1:1
(鼻下点と口裂との距離):(とオトガイ下点との距離) =1:

[

参考文献 

[1] 山本照(2008) 成長と発達相馬邦道他編科矯正学 5版医歯薬出版

顔の加齢変化 

概論

顔の型はヒトの一生を通してさまざまに変化していくすなわち幼児期,学童 ,青年期,成人期,壮年期,から老年期への変化の過程である.般的に幼児 期での顔はかわいらしく丸型をしている.成人期に入ってくると各人の遺伝的要 や人種差にる要因にもよるが,や逆三角型の顔型へと変化していく.して中高年から老年期に入ってくると顔型はふっくらとした四角型の顔,もし くは,やほっそりとし細長い顔型へと変化し,るからに老人らしい顔へしていく

本項で顔の変化の中でもとくに老人顔に注目して明を行うが,の前にそ ような顔をつくる大きな要因とる皮膚のシワについて説明する

皮膚のシワの原因 

膚の老の大きな原因としては加齢にともなう生理学的な変化,とくに光中でも紫線による老化およびそれらの要因が重複することで生じる要因などが えられて.そこでこれらの原因によって起こる皮膚の変化について簡単に 説明.

1) 生理的老化

a. 加齢る皮膚の表皮の皮脂分泌や角層の減少により水分保持能力が低下すなわ皮膚の表面がかさかさする現象が起.
b. 皮膚の真皮の部分の膠原線維(コラーゲン線維)と弾力線維が変化, 皮膚の基質成分であるヒアルロンの減少により肌張りや弾力性が減少して しまう
c. が薄くなることにより皮膚が縮みやすくなる.
d. メラニン細胞の生産の減少により老人性白斑などが現れる.

以上が生理的変化として考えられる変化である.

2) 光(とくに紫外線)による皮膚老化

紫外が長時間にわたり皮膚の表皮にあたると,細胞中の DNA が壊され,たその後の修復ミスによって突発性変異が現れる. さらにコラーゲン産生能力の 低下,変性した弾力線維の異常な増加により発がん化がこることもあ.

3) 生理的老化と光老化とが重複した要因 

皮膚全体にわたり小ジワを生じたり齢にともなった老人性紫斑が出した りす。 

顔に現れるシワ(シワの分類)

立って目立つ老人顔の特色はシワと皮膚のたみである.その中でもとくに シワについては解剖学,た皮膚の機能形態的な点からいろいろ分類たく いる.れらの分類の中で解剖学分類が最もわかりやすいのでこの術 について説明する, 学的大きく3型に分類されており,
1) シワ系
2)
3)ヒダ系
とされて
いる.

シワ系とは,皮膚全体に認められるシワ,加齢とともに出現してくるものでちりめん(縮緬)ジワや小ジワこの例に相当す.溝系のシワとしては,解剖学でも名称がつけられている本当溝のことをいうすなわち鼻唇溝,眼瞼,下眼瞼溝オトガイ唇溝ながその例にあたる.最後のヒダ系例としては,老人に特有に 認められる頭や喉の部位に現る横ヒダや口角ヒダ,内眼角のヒダなどがあげら .のほかには,皮膚科学などではシワの形状より,線状シ,図形シワ 縮緬ジワなと分類され,またそのシワの深さによる分類,すなわち皮膚を伸ば すとシワが消える浅いシワ,シワがまたく消えない深いタイプのシワなどに 分類されている.そのほかに皮膚直下に存在する表情筋の運動によって起こる表 情運動のシワなどもある. その例としては外眼角部に生じる外眼(名を カラスの足跡という),目尻の位に生じる小さなシワや眉間にじる縦ジワな どがあげら.これらの表情筋によってじるシワは表情筋の走る方向と直角 シワであ。 

一般的な加齢にともなう顔の各部位での変化(シワとたるみも含めて)(図1)

a. :年者では皮膚にシワは生じていないが,壮年期から老年になるに がって横ジワが目立つようになる.

b. :眉毛が加齢とともに薄くなり,下がってくるようにな.

c. :齢とともに目元はくぼ,その周辺の皮膚がたるむことで目尻が下 がってく.

d. :部の骨や頬部と口部の境をなす鼻唇溝が加齢とともにより目立つなり,溝もなってくるとともに頬部の皮膚が下にたるみ下がってくる。 

e. 口の周囲:口角が下がる口唇の上に縦のシワが目立つ,口元が扁平にな,口元が小さくな.

f. :を覆う皮膚がたるみ出す,重顎に

老化にともなう各年齢層でのシワやたるみの状況 

シワやたるみに関しては同一年代においてもある人は非常に若々しく見える一 ,まったく老人顔のような人もいることは日常生活の中でよく経験することで あるこのうな現象は各人の生活環境や個人の遺伝的な要,また人種差なし の原因とえら.ここでは一般的に老人顔に変化していく年齢層での変化の 特色を表1にまとめる以上,各年代層でのシワの変化を図2に示す

 

1. 老人の顔貌
や鼻根部にシワが多く認られ,眼も落ち込みそ周辺の皮膚がたる,頬部はこけ,骨が目立つようになってに特有な顔になってくる.また鼻唇溝もよりはっきりとしきてくなり、口唇は薄くかつ扁平化していき二重顎や喉頭部のシも目立つようになってく. (Salasche, S. et al. (1998) Surgical anatomy of the skin, Appleton & Lange, p.54, Fig 61

 

図2. 高年から高齢者にるにしたがって顔の中に生じるシワの部における変化をした図 

 年齢層でみた老人顔への変化の特色 
30 代より 40代 

額に数本の横ジワが少ずつ生じとともに鼻唇溝の溝が明らかになってくる.ま た頬骨に沿った皮膚線も少しずつ認められるようになる

50代より 60代

額の横ジワが数本よりはっきりと目立つようになる.上眼瞼周辺の皮膚のゆるみ、 縮緬ジワの出現,外限角シワ(カラスの足跡),眉根部の横ジワ、鼻唇溝の深化な どがより目立つようになる

70代以上 

額の横ジワ類の増,眉間のジワ,下眼瞼,眼瞼溝のたる,頓オトガイ 溝が下がオトガイ唇溝の明確化,口角より顎にシワが出る上口唇に縦ジワより多くかつ深くなってきてシワやたるみが戻らなくなってくる 

まとめ 

本項では,どもから成人お高年か老人へと高齢化するにたがって 顔の形態も少しずつ変化していくこと化にしたがって顔の外形以外にも顔の 中に多くのシワが形成されていくことを説明した. シワの生じる部位に関して