今日の授業では、
メイクアップの基礎や自分にとっての常識を越え、
幅広い視点で顔や化粧、美について考えてみましょう。
授業の後半で、
「社会活動における顔の役割」
「なぜ化粧をするのか」
というテーマで話し合い、発表をしてもらいます。
話し合った内容を各自でまとめて、
classroomから課題提出してください。
提出期限は、授業中です。
自分にとって
まずは自分にとっての、顔や化粧について考えてみましょう。
顔とは?
んー?そう言われても…
漠然としてわからないよね。
でも、正解はないから自由に考えてね。
※思うこと、考えを書き出しましょう。
あとでフォームに入力してもらいます、googleドキュメントを使ってメモしてください。
では、ちょっと聞いてみましょう。
化粧とは?
メイクするの楽しい!
私はちょっとめんどくさいかなー
自分は何でメイクをするのか、するとどんな効果がある?
どんな気持ちになるのかな?
※思うこと、考えを書き出しましょう。
あとでフォームに入力してもらいます、googleドキュメントを使ってメモしてください。
では、ちょっと聞いてみましょう。
「顔」とは
顔の意味
- 人・動物の頭部のうち、目・鼻・口のある前面の部分。
「~を洗う」
「~が合わせられない(=面目なくて相手に会えない)」
「~がそろう(=顔 ぶれがそろう)」
「~を貸す(=頼まれて人に会う)」- [美醜の対象として見た]顔の様子。
顔だち。容貌。
「整った~」
「~を直す(=化粧をしなおす)」- [心持ちのあらわれた]顔の様子。表情。
[接尾語的にも使う]
「いやな~をする」
「~を曇らせる(=表情を暗くする)」
「人待ち~」
「したり~」- 面目。
体面 「~にかかわる」
「~が立つ(=面目をたもつ)」
「~がつぶれる(=面目を失う)」- その社会「でよく・信用されている(知られている)こと。
「芸能界ではちょっとした~だ」
「~が売れる(=広く世間に知られる)」
「~が利く(= 便宜をはかってもらえる)」
「~が広い(=つきあいが広い)」- ある物の、表にあらわれて目立つ部分。
「受け付けは会社の顔だ」
顔エトセトラー顔に関することわざ
顔は、たくさんのことわざや慣用句に登場します。
悲しくてもそれを見せずに「顔で笑って心で泣く」ようですし、
知らない振りを するときには「知らぬ顔の半兵衛」と言います。このように人々は、自身の心とは異なるとしても、
顔を通じて人に見せたい心を見せるときがあるようです。
それから恥ずかしいときには「顔から火が出る」と言いますし、
逆に恥をかかせるとき は、「顔に泥を塗る」ようです。また、顔は面にもたとえられますが、
「面の皮を剥ぐ」
「面目を失う」
というように、正体をあばくときにも顔が登場します。一方、ことわざになるのは、人々の顔だけではありません。
「仏の顔も三度まで」
「借りるときの地蔵顔、返すときの閻魔顔」
「鬼の目にも涙」
仏も閻魔も鬼もなか なか見ることは難しいですが、
顔がそれぞれの姿や心を表す役目を果たしているようです。
このように、「顔は心を表す鏡」であることが良くわかります。顔全体でなく、顔の一部分を使ったことわざや慣用句も多く見られます。
「目から鱗が落ちる」
「目に入れても痛くない」
「目の上のたんこぶ」
など、「目」というもっとも特徴的な部分を用いた表現は多く見られます。また、
「鼻の下を伸ばす」
「鼻が曲がる」
など、「鼻」を使ったものには、
色香を匂わせるものが多いようです。一方、
「口は災いの元」
「口では大阪の城も建つ」
など、「口」を使ったものには言葉を伝える役割をもつ部位らしいことわざが多いようです。
ただ、「目は口ほどに モノを言う」というように、
必ずしも口だけが何かを伝えているのではありません。さらに、
「馬の『耳』に念仏」
「猫の『額』」
「『眉』に唾をつける」
「『頬』が落ちる」
「『舌』が肥える」
「『歯』に衣着せぬ」
「後ろ『髪』を引かれる」
など、顔の部分を使ったことわざは数多く見られます。さて、「人は見た目よりただ心」とも言います。
人の見た目には、顔が大きな役 割を果たしているのに、
見た目は心を表していないのでしょうか?
ふと、鏡で自分の顔を良く見ると、いつも動いていることがわかります。
動いている顔は、情を表すと書いて表情と言います。
きっと人々は、動く顔である表情から、人の心を見て来たのでしょう。
人の顔つきや表情がそれぞれ違っているように、人の心もそれぞ れ違っています。
これこそ、「人心は面の如し」と言われる所以なのかもしれません。[鈴木健嗣]
顔を使った慣用句、ことわざ
匿顔のコミュニケーション社会
もともと人は顔を見せてコミュニケーションしていた
もしも顔がなかったら人と人の間のコミュニケーションはどう変わるだろうか。
人はこれまで、相手に顔を見せることをあたり前のこととして、コミュニケーションしてきた。
人は服を着ているために体の大部分を隠している。
その中で顔は唯一の露出した部分である。
手は手袋で隠すことができるが、顔を完全に隠して社会 生活を営むことは、かなり大変だ。
その唯一の裸の部分を、相手からいちばん見やすい目の前に置いている。
そのような顔を見せながらコミュニケーションしているから相手を信用できるもし相手と会うときに、サングラスをかけ、大きなマスク をしていて、それをはずさなかったら、相手は警戒するだろう。
ストッキングをかぶって相手に会ったら、それこそ大変なことになる。匿顔のコミュニケーションへ
ところが今、顔を見せないコミュニケーションがあたり前になりつつある。
ネットワークを通じてのコミュニケーションがそうだ。
たとえば電話では、相手の顔が見えない、でも声の調子から相手がどのような表情をしているか、おおよそ見当がつくそれが、電子メールでは、文字だけだから声の調子もわからなくなる。
仕方なく、表情を表した顔文字をつけることもある。チャットも同じだ。現代社会では、顔を見せずに相手とコミュニケーションすること、それがむしろ普通になった。
このような顔のない社会、 顔を見せない社会を、「匿顔のコミュニケーション社会」とよぶことにしよう。匿顔は匿名をもじった造語である。
興味深いことに、匿顔のコミュニケーション社会がひとたび生まれると、次第に 顔を隠すことが心地よくなってくる。
相手と四六時中顔を合わせないといけない、そうしなければ何もできないということには結構つらいものがある。
顔を合わせず に話がすめば、その方が気楽なこともある。テレビ電話が必ずしも一般に普及しな いのは、そのためかもしれない。顔を見せながら行動するということは、時として苦痛である。
それは顔がその 人の人格そのものであるからである。
さらには他人には秘密にしておきたい心の内 側が、顔を通じて見られてしまうからである。
顔を隠していられるネットワーク社 会は、その意味では便利であるが、人は顔を見せるという苦痛に耐えながら成長しているのだともいえる。
ネットワーク社会で顔を隠しているという安易な逃避は、折角の成長の機会を奪っている可能性がある。顔は何を変えるか?
匿顔は、それによってコミュニケーションが変わってしまう可能性がある。
名前も顔も隠した電子的なメディアの世界では、人の悪口も気軽に言える。
現実の世界でも、たとえば酒を飲みながら、悪口を言うことがある。でもそれはそのときだけの話だ。
メディアでは、それが記録に残ってしまうから、揚げ足取りもできる。 ときに炎上してしまうこともある。
メディアには人と人の関係を悪くする悪魔が潜んでいるのではないかと思うことさえある。顔は、その人の人格そのものを変えてしまう可能性がある。
現実の世界では紳士的な人が、メディアでは攻撃的になることがあるあたかもジキルがハイドになってしまったかのようにである。
現実の人間社会がそれなりに秩序立って動いているのは、人に顔があるからかもしれない。
顔は衣服で被われていない裸の自分である。
それを見せながら人は行動しているので、それなりの自己規制が働いている。
あまり恥ずかしいことはできない。一方で、顔を隠して行動することにいいこともある。
顔を隠すことは人に一種の快感を与える。組織の中では抑圧されていたもう一人の自分を発見できる可能性もある。
もともと、祭りには仮面がつきものであった。近世では仮面舞踏会も行われた。
化粧も、それに近いところがある。
顔を隠したいという欲求は、人にとって本能に近いものなのかもしれない。顔を隠すことは、そのことによって勇気やエネルギーが生まれるというプラス面もある。
かつて権力や悪に立ち向かったスーパースターは顔を隠していた。
鞍馬天 狗も月光仮面もバットマンも、みんなそうだった。
顔を見せていてはこわくてできなくても、隠すことによって対抗する勇気が出る。
社会のさまざまな圧力に対して 自由になることができる。
匿顔の社会のこれから
もともと都市社会とは匿名の社会である。
それに対して村は、いつも名札をつけ て歩いているような社会だといえる。
その意味ではがんじがらめの世界である。それが、村から都市へ出ることによって名札を捨て、匿名性を獲得できた。
匿名性を獲得することによって、自由な社会活動経済活動が可能になった。
それが都 市のエネルギーとなって、おおげさにいえば資本主義を生み、市民革命にも結びついた。そして今、現代人は匿名だけではなく、「匿顔」という顔を隠す社会を手に入れようとしている。
匿顔社会はこれからいったい何を生み出すのだろうか。
匿名の都市社会が資本主義、市民革命という形で現代社会を生み出したように、匿顔社会は これまでとは違ったまったく新しい社会を生み出すかもしれない。いずれにせよ、メディアの時代にあって、顔の意味があらためて見直されようとしている。
[原島博]
社会活動における顔の役割
顔って色んな役割を持っているようですね。
次は、生活の中や身近な場面を思い返して、
顔にまつわる出来事、エピソードを共有しましょう。
2〜3人で10分くらい話し合いましょう。
順番に発表してもらうよ!
なぜ化粧をするのか
自分がメイクをする理由を共有しましょう。
人によって理由は違います。
違いを見つけて、一般的にはどんな理由で化粧をするのか
考えをまとめてみましょう。
みんなの年代がメイクをする理由
30代、40代以上の人がメイクをする理由も想像してみてね。
まとめ
今話し合ったことや発表した内容を自分なりにまとめて
「社会活動における顔の役割」
「なぜ化粧をするのか」
classroomからGoogleドキュメントに入力して
授業中に提出してください。
次回のテーマ(事前学習)
ファッション業界とメイクアップ
次回は、ファッション業界におけるメイクアップの役割について
考えてみましょう。
好きなファッションブランドを一つ選び、その服に合ったセルフメイク実習をします。
- 服を1着選んで、写真を用意する
- メイク道具(自分の選んだ服に合ったメイクに必要な化粧品)
授業終了時にセルフメイクの写真と服の写真を提出。
今日のフォームがclassroomに上がっているよ!
授業終了までに提出してね。
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